三国志の英雄たちの中で、ひときわ異彩を放つ男、それこそが張飛！
劉備の義兄弟であり、関羽と並び称される豪傑。
その武勇は、敵を震え上がらせ、味方を勇気づける。
中でも、長坂橋での仁王立ちのエピソードは、彼の勇猛さを象徴する名場面として、今もなお語り継がれています。
この記事では、張飛の熱き魂と、長坂橋での死闘を、感情豊かに描き出します。
曹操軍、怒涛の進撃！劉備軍、絶望の淵へ！
建安13年（208年）、曹操の大軍が荊州に雪崩れ込み、劉備軍はまさに風前の灯火でした。
曹操は、北方の袁紹を打ち破り、烏丸をも制圧。その勢いは、まさに天下無敵。
次なる標的は、豊かな荊州でした。荊州を手に入れ、長江を下って孫権を討てば、天下統一は目前。
曹操の野望が、荊州を飲み込もうとしていました。
劉備は、民を捨てて逃げることを潔しとしませんでした。
十数万という荊州の民が、曹操の支配を恐れ、劉備を頼って避難を開始。
しかし、その数は膨れ上がり、劉備軍の進軍は遅々として進みませんでした。
曹操軍の追撃は、刻一刻と迫り、まさに絶体絶命の危機でした。
長坂橋での死闘！張飛、一騎当千の猛将ぶりを発揮！
曹操は、精鋭騎馬隊五千を率いて、昼夜兼行で劉備軍を追撃。
曹操軍は、ついに劉備軍に追いつき、当陽県の長坂で激突！
劉備は、妻子を置き去りにして逃れざるを得ない状況に追い込まれました。
この絶体絶命の危機を救ったのが、張飛です！
殿軍を任された張飛は、わずか二十騎を率いて長坂橋に立ち塞がりました。
その姿は、まるで巨大な壁のよう。曹操軍の前に立ちはだかり、一歩も引かない覚悟を示しました。
「我こそは張益徳！命が惜しくば、道を開け！」
張飛の雄叫びは、長坂の地に轟き渡り、曹操軍の兵士たちを震え上がらせました。
その声には、圧倒的な武勇と、敵を寄せ付けない気迫が込められていました。
張飛は、ただ立ちはだかっただけではありません。
橋を破壊し、曹操軍の追撃を物理的に遮断しました。
さらに、林の中に伏兵がいるかのように見せかけるという、知略も駆使しました。
これにより、曹操軍は深追いすることを恐れ、追撃を躊躇せざるを得ませんでした。
豪放磊落！しかし、義に厚い男！
長坂橋での死闘を生き延びた張飛の勇猛さは、その後も衰えることを知りませんでした！
むしろ、あの危機を乗り越えたことで、彼の魂は強く燃え上がったと言えるでしょう！
劉備軍の主力として、彼は数々の激戦地を駆け巡り、その圧倒的な武勇で、幾多の敵を打ち破ってきたのです！
そして、劉備が天下取りの足がかりとした蜀の地。
この地の攻略戦において、張飛はまさに獅子奮迅の活躍を見せます！
特に語り継がれるのが、敵将・厳顔との戦いです！
老将でありながら、屈強な厳顔は、なかなか蜀の地を明け渡そうとしません。
しかし、張飛は、ただ力でねじ伏せるのではなく、智謀を巡らせ、厳顔を捕らえるという大功を立てたのです！
捕らえられた厳顔は、張飛に屈することなく、堂々とした態度を崩しません。
「わが軍に降伏を勧めるならば、わが首を斬ってからにせよ！」
その言葉に、豪傑・張飛は感銘を受け、手厚くもてなして劉備のもとに送り届けたと言われています。
まとめ
張飛は、三国志に登場する数多くの英雄の中でも、特に強烈な印象を残す人物です。
その武勇、その豪快さ、その人間味。どれをとっても、私たちを魅了してやみません。
長坂橋での仁王立ちのエピソードは、彼の勇猛さを象徴するだけでなく、義に厚く、仲間思いな一面が垣間見えます。
その奥底には、誰よりも義を重んじる熱い魂が宿っていました。
劉備との固い絆は言うまでもなく、関羽との義兄弟の契りも、彼の人生を語る上で欠かすことはできません。
夷陵の戦いで関羽が命を落とした時、張飛の悲しみは、いかばかりだったでしょうか。
兄の仇を討つため、激しい怒りを燃やしたと言われています。
しかし、酒を好み、部下に対して厳しく接することもあったようです。
その激情が、彼の身を滅ぼすことになるのは、なんとも皮肉な運命ですね！！
